新入社員の研修では、業務についての理解や工程など学びながら実践していくことになります。ここでの時間が今後の仕事に響いてくるので受ける側の新入社員や伝える側の会社であっても単に「研修を行った」だけでは意味がありません。
また今回お伝えする研修内容は新入社員だけの話ではなく中堅社員やベテラン社員また会社の上層部の方々にも関係してくることです。
一言で研修と書いていますが、種類や内容は全く異なるモノもあります。勤務年数や業種などで受ける研修の中身が違ってくるのです。新入社員での研修からリーダー研修また管理職研修など立場が変われば学ぶモノも違ってきます。勤務年数が長くなればなるほどに責任が大きくなってくる分、学ぶべきことも増えるのです。
今回は新入社員または入社数年目までの社員研修について簡単に書いていきたいと思います。
マニュアルを通して確認していくこと
大体の会社や部門にはマニュアルがあるはずです。これは誰が見ても業務の中身や工程が分かるように書かれています。一つの参考書的なモノであり先輩社員の方々が日頃の業務で気づいたことや学んだこと、失敗の中から今後に活かせるようにと作成したモノです。単に書いただけのモノではないと言うことです。
マニュアルは新入社員だけが見るモノではなく、全社員が振り返る意味で再確認することも必要です。そうすることでマニュアルの中身も時代に合わせた内容に変更することでスムーズに業務に取り込めるようになります。何年もマニュアルの中身が変わっていない場合は詳細を確認するようにしましょう。
必ず行うOJTで可視化すること
OJT(On-the-Job Training)はどこでも活用する研修内容です。新入社員の当初は先輩社員が付き添い業務のスキルを培うことになります。
OJTの手順は(Show・Tell・Do・Check)があります。
Showは実際にやって見せる。先輩社員が業務の一つ一つに対して見本となるように実際にやって見せましょう。マニュアルや言葉での説明ではわかりにくいですが、人は視覚的に確認する方が理解しやすいモノです。ネット社会になり動画で商品の説明や解説など行っているのも視覚的に伝える方が効率的だからです。
Tellは業務の説明及び解説です。この仕事がどうゆう意味があり必要なのか?分かりやすく伝えれるように詳細に時間をかけて行いましょう。Showの時に一緒にすることで理解につながりやすいです。
Doは新入社員にやらせてみましょう。ShowとTellで伝えたように本人が実際に真似てやってみることで実感として身につきます。ここでは成功することより思ったことが大事です。失敗しても逆に次に活かせる知識として新入社員も先輩社員も+に考えましょう。
Checkは評価と追加指導で掘り下げていきましょう。Doでの評価も行いながら全体的に評価へつなげます。最初から完全にクリアすることは難しいですが、いま現在のスキルに関する評価で改善点が分かります。
OJTで大事なのは意図的・計画的・継続的の3つです。
どういった目的をもってトレーニングを行っていくのかの認識。キチンと考えた計画に基づきトレーニングを行う。時間をかけて反復的また段階的なトレーニングを行う。この3つの意味を先輩社員は考えながら新入社員に教えていくことが大切です。
OJTは新入社員も大変ですが教える側の先輩社員も同じくらい大変です。僕も新入社員の研修で毎回どうすればいいか?分かりやすく上手に伝えれるか?正直に言えば苦手です。
教える側であってもOJTを通しながら気づくことも確かにありました。日頃は普通に業務を行うことが当然ですが、振り返りをすることも慣れてくれば少なくなります。慣れることはいいことですが、逆に初心を忘れることも多いのです。
OJTは新入社員に業務を教える反面で先輩社員も初心に戻ることができるチャンスでもあるのです。ですので、OJTを担当する方も頑張って欲しいと思います。
OJTの内容や必要性などお伝えできたかと思います。次はOJTのメリットやデメリットについてお伝えします。
OJTのメリットについて
OJTは新入社員に先輩社員が業務を通して教えていく形式になりますので実際に業務を行うことで学べることが多い点にあります。実践を通して経験するので研修と仕事とのズレも生じにくいです。ズレが少ないと言うことは研修終了しても業務にスムーズに取り組めることで即戦力にもなれます。研修で業務の練習を繰り返していることになりますので不安感も減少するはずです。
また、仕事の中で重要とされるコミニュケーションも研修を通じ新入社員と先輩社員が一緒に行っていますので質問や教育を通し自然と会話が生まれ人間関係の構築にも役立っています。これは研修だから遠慮せずに質問ができますし、教える方も事細かく伝えようとします。新入社員が人間関係の部分で不安になる要素は先輩社員との会話が難しいことが起因となっています。会話があれば不安要素も1つ減ります。
新入社員のペースで研修を行うことで、取りこぼしのない業務の訓練ができます。これはOJTの主役が新入社員だからです。会社や先輩社員からすると「早く戦力になって欲しい」や「短時間で終わらせて会社に貢献して欲しい」と思うことが多いですがOJTを行うことで余計なことを考えずに研修に取り組むことが可能になります。仕事を覚える、慣れることは時間が必要です。安心して新入社員が働ける環境になるには分かりやすく業務を教われる、不安や疑問があれば納得できる答えをくれるなどが大切です。それらを考えOJTがあるので基本は新入社員に合わせて実施することになります。
OJTは一通り業務を通じて学んだら終わりではありません。一定の基準まで達するまで繰り返し行うことで継続的に学べることがメリットでもあるのです。
OJTにもデメリットはあります。
これは会社側また教える先輩社員側のデメリットになりますが、新入社員に教えるために準備や書類作成など時間が必要になることです。一度作成した書類を繰り返し使えば済む話ですが、時代に合わせて内容も変化する必要はあるのです。去年と今年では新入社員も違います。年代で考え方が違うように新入社員も変わって来ますのでスムーズに受け入れやすい内容に書き換えることが出てきます。担当する社員は事前に準備するので大変です。
また、OJTで教える立場になれば新入社員の育成で失敗はできないと負担に思うこともあります。会社の代表なって教えるので不安になってきます。教える社員によっては能力の違いやスキルの違いで研修にバラつきが生じる可能性もあります。
業務の全てをOJTって訳にはいかず、教える社員も自身の仕事がありますので途切れることは当然あります。
このようにデメリットもありますが、OJTは一部の社員だけで行っているのではありません。現場任せにしやすい問題でもありますので会社全体が新入社員を育てるつもりで行っていく方がいいです。事前準備も研修も複数で役割を決めて対応することで負担も減ります。先輩社員が交代しながら教えることで学べる領域も広がります。
実際にOJTをしてみた感想は!
OJTは会社も先輩社員にとっても意味深いモノになります。お互いに支え合い助け合いながら成長することが会社の役目でもあるのです。新入社員も夢や熱意をもって入社しています。長く一緒に働けるチャンスをみんなで作っていくことが1番だと思います。
前職では新入社員研修を行う中で、各部署から中核社員を集めて行ってきました。課題になる部分を話し合いながら実際の業務に沿って進めていく計画です。実際、業務を通じて教えていくことは簡単ではなく教える側も悩みながら対応していました。
伝え方や内容が正しく新入社員に響いたか?同じ目線で話をするように気をつかってはいますが、どう思われているか?これは結構先輩でも気になってしまうモノです。
OJTは受ける側も教える側も同じくらい緊張し悩みながら共に成長する機会なんだと実感しています。
今回は会社内部で行う研修(OJT)について書きました。次回は会社外部の研修(off-JT)について実体験を含めてご紹介します。